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うつ病の身体療法(1)ー電気けいれん療法(ECT)

電気けいれん療法(electroconvulsive theraphy:ECT)
19世紀、てんかん患者は統合失調症にならないという誤った仮説に基づき、統合失調症の患者に薬物を用いたけいれん療法が初めて行われた。その後、1938年には薬物に代わり電気を用いた現在のECTの原型が施行されるようになった。わが国においても、1950年代の向精神薬の台頭までの間、ECTは頻繁に行われたが有害作用の問題もあり、使用頻度は徐々に減少した。また、電気ショック療法と呼ばれ、必ずしも科学的・合理的に施行されなかった経緯があり、1960〜1970年代ECTは批判の的となった。
従来の古いタイプのECT刺激装置
従来の古いタイプのECT刺激装置

修正型ECT(modified ECT:mECT)

一方、欧米では向精神薬の出現以降一旦は使用が減少したものの、刺激装置の改良、有効性の科学的検証がおこなわれた。その結果、1980年代には再評価され薬物療法より有効との報告もあり、今日ではうつ病、躁病、統合失調症、さらにはパーキンソン病や悪性症候群に対しても有効な治療方法として認められている。欧米では、麻酔を用いた無けいれん性の修正型ECT(modified ECT:mECT)が主流となっている。これは、麻酔科医との連携によりバルビツレート麻酔薬とサクシニールコリンを用いたECTである。全身麻酔のもと完全に弛緩した状態で行われるため従来のような痙攣が生じない。また、呼吸管理も麻酔科医が行うため呼吸停止などの事故が起きにくい。そのため、骨折やその他の有害作用を予防することができる。わが国では、1958年に最初のmECT施行の報告があるが、その後普及は遅れていた。しかし、近年になり総合病院、大学病院を中心に行われるようになってきた。

パルス波治療器
また、現在欧米ではパルス波治療器がスタンダードに用いられている。このパルス波治療器は電気量、パルス幅、周波数などの調節が可能であり、正弦波治療器と比べて記憶障害などの認知障害や脳波異常少ない。わが国におけるECTは、1960年代より進展がほとんどみられず、これまでは旧式の正弦波治療器が主流に用いられてきたが、2002年に矩形波を用いたパルス波治療器が認可され、今後の普及が期待されている。

ECTの手技の手順
ECTは手術室で行われることが多いが、専用のECTユニットが用意されている施設もある。手順としては、静脈路を確保し、血圧心電図をモニターし、バイタルサインを記録する。硫酸アトロピン、静脈麻酔を投与し、マスクによる酸素の投与を行う。筋弛緩薬の静脈注射を行い、口腔にはバイトブロックを挿入。約100Vで5秒程度の通電を行い、脳波上25秒以上の発作を確認する。呼吸と意識の回復確認後、バイタルサインを再検する。 
ECTのうつ病に対する有効性は約80〜90%、薬物治療抵抗性のうつ病でも50%と大変有効な治療法である。治療効果の発現はECT施行3〜6回後より現れることが多い。また、抗うつ薬との比較では、ECTはより即効性があり、抗うつ効果も高い。ただし、効果の持続に関しては3〜6ヶ月と比較的短期間である。

ECTの有害作用
@通電直後に発生して数時間で消失するものとして、持続性けいれん、頻脈、血圧上昇、不整脈A覚醒後に出現し、数時間持続するものとして頭痛、嘔気、筋肉痛、健忘、見当識障害B数日以上持続するものとして、記銘力障害、脳波異常などがあげられる。このうち、酸素吸入により頭痛、嘔気、記憶障害は軽減可能であり、筋肉痛には筋弛緩薬の増量が効果を示す。また、記憶障害を予防するために、矩形波(Ultra-brief pulse)を用いて右半球刺激を行うこともある。死亡率はmECTで1回あたり0.002〜0.005%で、原法ECTでも0.01%であり、死因は心室性不整脈によることが多い。

うつ病の身体療法(2)ー持続睡眠療法と断眠療法

薬物を使用した持続的な睡眠を精神疾患の治療に用いる。一方、正反対の断眠をうつ病の治療に用いることもある。

T.持続睡眠療法

精神疾患における睡眠の重要性は古くから認められており、1901年にWolffがethylsulfone剤を急性錯乱3例に使用し、持続睡眠に導き効果を認めている。治療に本格的に利用されるようになったのはKlaesi(1992)によりsomnifenが統合失調症に用いられてからである。

本邦でも1992年、下田によりsulfonalにamobarbital, barbital, phenobarbital等を併用し、躁うつ病の治療が行われた。その後。九大精神科でSulfonaldauerschlafとして躁うつ病の治療として確立されたが、現在ではSulfonalは中毒症状を呈することもあり用いられない。Chlorpromazinが開発されてからは、これをbarbitur酸系薬物と併用し、持続睡眠療法に応用されるようになった。一日12〜18時間の持続睡眠を2〜3週間行い、これを1クールとした。このようにわが国では躁うつ病対象として、持続睡眠療法は確立したが、現在ではごく一部の不安、焦燥が強い自殺企図のあるうつ病患者、あるいは重症の強迫性障害に用いられる以外ほとんど使用されていない。

U.断眠療法

断眠療法は1950年代後半に、Schulteがうつ病患者が断眠により軽快するのを確認し、その後、1971年PflugとTolleが治療結果をまとめて報告を行ったことより始まる。以降、夜間の睡眠を意図的に妨げる断眠療法は、その高い有効性が認められている。断眠療法には夜間全断眠の他、夜間後半部分断眠、REM睡眠断眠がある。当初は夜間全断眠が主流であったが、現在では夜間後半部分断眠が用いられることが多くなっている。

全断眠:24時間の断眠を行う方法。患者は看護師、家族などの協力のもと断眠を行う。夜間後半部部分断眠:夜間睡眠の後半の断眠を目的とし、午前2時頃覚醒させる。全断眠と部分断眠は自宅でも可能である。

REM睡眠断眠:選択的にREM睡眠を遮断する方法であるが、脳波上のREM睡眠を確認しながら行うため自宅では行えず、研究的に用いられることが多い。内因性うつ病ではREM出現の時間的配列に異常が指摘されており、これを改善すると考えられている。

断眠療法の機序
断眠療法の作用機序は、睡眠生理、日内リズムに与える影響にあるとされることが多い。これは、うつ病では生体リズム位相が前進しているため、断眠療法により睡眠覚醒の位相を前進させることにより正常化するというものである。その他にも脳内神経伝達物質への作用、神経内分泌機能への影響などが考えられているが機序はまだ明らかではない。

断眠療法の適応
断眠療法の適応は、抗うつ薬の有害作用が出現しやすい患者、循環器系等の重篤な合併症を有し薬物療法が十分行えない患者、高齢者、強い自殺念慮を有している患者、難治性うつ病患等である。特に、朝方に症状が悪化する日内変動を示すものには効果が高く、逆に夕方に悪化する場合は効果が期待できない。

治療効果
治療効果は夜間全断眠、夜間後半部分断眠いずれも60%以上であり、抗うつ薬の効果と同等と考えられている。特に抑制、疲労、自殺念慮、抑うつ気分を呈する場合に効果的である。また、断眠療法の有害作用は、疲労、食思不振、頭痛、うつ状態の悪化、幻覚妄想状態などが挙げられるが、いずれも重篤となるものはない。ただし、双極性気分障害に用いる場合には躁転を来す可能性が約10%あることに注意しなくてはいけない。また、パニック発作を引き起こすとの報告もあり、パニック障害には用いるべきではない。断眠中は、仮眠をとらないように読書、ビデオ鑑賞や運動をおこなっても良いが、断眠中あるいは翌日に仮眠をとった場合には効果が減弱するので注意が必要である。断眠の回数は、週に1〜2回、2〜4週間行うのが一般的である。

断眠療法の効果は一般に1〜2日しか持続しないので単独で用いるには十分とはいえない。効果を持続させるためには、炭酸リチウムや三環系抗うつ薬、SSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害薬)、pindorol、高照度光療法の併用が有効である。
このように、断眠療法は容易でありかつ有害作用が少なく効果発現が早いため、難治性うつ病、老人性うつ病などに有効であり、今後発展が期待できる治療法の一つである。

うつ病の身体療法(3)ー高照度光療法

高照度光療法
1982年、Lewyらは秋から冬の期間に症状の悪化するうつ病患者に対し、高照度光療法を行い有効であることを示した。日照時間の少ない冬に症状が悪化することより、Rosenthal(1984年)は秋から冬にかけて症状の悪化する患者を集め、特徴的な症状を見いだし季節性感情病(seasonal affective disorder:SDA)と命名した。さらにこれらの患者には高照度光療法が有効であることを報告した。以後その手技の容易さ、有害作用の少ない点などがあいまって欧米を中心に急速に普及した治療法である。

高照度光療法の照射時刻、時間、照度に関してはさまざまであるが、2500〜3000ルクスの蛍光灯の光を朝方1〜2時間照射するのが一般的である。また、さらに高照度である10000ルクスで照射を行えば30分程度で同等の効果が得られる。いずれの際も、光源を1分間に20〜30秒間見ることが重要である。光療法は1回だけではなく連日施行する必要があり、期間は通常1〜2週間である。入院患者には、病室に高照度光療法器が天井に設置された専門の病室がある施設もある。また外来患者の場合には携帯型の高照度光照射装置を用いて自宅にて照射することも可能である。

高照度光療法の作用機序についてはいくつかの仮説がある。もっとも一般的なのは、生体リズム位相後退説であり、冬季に日の出時刻が遅くなることよりサーカディアンリズムの位相が後退し、抑うつ症状が出現するといったものである。すなわち早朝に光を浴びることで逆に生体リズムの位相前進が生じ、抑うつ症状が改善するとした説である。この他、光周性仮説、光量子仮説、セロトニン仮説などがあるが現在のところ明確ではない。

高照度光療法の適応は季節性感情病と概日リズム障害であるが、その他にも、月経前症候群、摂食障害、パニック障害、痴呆を伴うせん妄や異常行動などに効果があるとの報告がある。

高照射光療法の季節性感情病に対する効果発現までの期間は短く、開始3日目で症状の改善が見られ、有効率は約60%と報告されている。特に過食や過眠を呈する患者には有効である。有害作用については特に重篤なものは報告されていないが、まれに眼症状、不眠、神経過敏、頭痛、嘔気、躁転を生じることがある。

このように、高照度光療法は抗うつ薬の効果が乏しい季節性感情病に効果を示し、第一選択となっている。一方、非季節性の気分障害に対する効果は検討中であり、まだ明らかとは言えない。しかし、効果の発現が早く非侵襲的であり、方法も容易なことから、抗うつ薬が使用できない例や効果が乏しい患者には有効な治療法として期待されている。

うつ病の身体療法(4)ー経頭蓋磁気刺激(TMS)
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