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<<睡眠とくすりのおはなし>>

睡眠障害のひとつである不眠症の治療には、一般にベンゾジアゼピン系睡眠薬が使用されます。不眠症の原因と治療にはそのタイプの見極めが重要で、それをもとに適切な薬剤を選択する必要があります。それでは、睡眠薬を用いた治療について、ごく簡単に説明しましょう。

不眠のタイプによって異なる処方
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、大きく分けて超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4種類があります。
超短時間型は消失半減期が2〜4時間と非常に短く、短時間型は消失半減期が6〜10時間と比較的短い薬剤です。これらはおもに「入眠障害」と呼ばれる症状に使用されます。翌朝の眠気やふらつき等持ち越し効果が少ない薬剤です。
中間型および長時間型は、それぞれ消失半減期が20〜30時間、50〜100時間と長く、定常状態に達するまでに中間作用型で4〜5日、長時間型で1週間程度かかります。おもに中途覚醒や早朝覚醒による「熟眠障害」と呼ばれる症状に使用されます。長時間型の薬剤では、翌朝の持ち越し効果があらわれやすくなります。
 
無理な服用中止は再燃に

睡眠薬の中止を開始できるかどうかの判断には、重要なポイントが2つあります。

  • 不眠およびその原因が消失していること
  • 不眠に対する恐怖感が消失していること

睡眠は、環境要因(騒音、照度など)、生活習慣(カフェイン摂取や喫煙など)によって妨げられていることもあります。こういった点に問題がないかどうかも中止開始の判断のポイントです。
また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、催眠作用だけでなく抗不安作用もあり、不眠の改善に重要な役割を果たしています。自分の睡眠に対して自信がもてない、不眠への恐怖感が強い段階で無理に中止したり量を減らしたりといったことはさけるべきです。
中止を開始できる段階にない場合に突然服薬を中止すると、不眠が再燃し、睡眠薬服用開始前よりも不眠がひどくなったり(反跳性不眠)、不安、振戦、発汗などの症状(退薬症候群)があらわれたりすることがあるので注意が必要です。

 
減量、薬剤変更から徐々に中止へ
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用時間の短いものほど反跳性不眠や退薬症候群を生じやすく、作用時間の長い睡眠薬では薬の血中濃度はゆっくりと下降するため、1日服用を中止しても反跳性不眠や退薬症状は比較的起こりにくいといえます。
そのため、薬剤のタイプによっても中止までの方法が異なります。作用時間の短い睡眠薬の中止は用量を徐々に減量し、作用時間の長い睡眠薬の場合は、一定量まで減量できたら睡眠薬を服用しない日を設ける隔日法を用いることが一般的です。
また、作用時間にかかわらず、漸減法と隔日法を組み合わせたり、服用する薬剤を変更するなどにより、中止に持っていくことが適切な場合もありますので、医師と相談しながらゆっくりと進めていきましょう。
 
先入観をもたずに効果的な治療を

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、適正な用法・用量を守って使用した場合、耐性や依存性の形成ならびに呼吸抑制などの重篤な副作用がほとんどなく、長期間服用した場合の危険性も少ない安全性の高い薬剤です。しかし、睡眠薬には「飲むとぼけるのではないか」、「癖になるのではないか」、などといった誤解や不安を抱いている患者さんも少なくありません。慢性化・難治化を防ぎ、効果的に睡眠障害を治療していくためには、患者さんと医療者が睡眠薬に関する正しい知識を共有し、適正に薬剤を使用することが大切です。

 

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