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<パニック障害>
息苦しさ、窒息感、動悸が発作的に何の前触れもなく起こる。そのため患者さんは、自分が死ぬのではないか、あるいは発狂するのではないかと感じる。どうにもならずに救急車を呼び、救急外来を訪れることもまれではない。そして身体的な精査を行っても全く異常が見つからない。身体科で、パニック障害の診断がつかないことも希ではない。
パニック障害は今日では非常に多く、一般的な疾患の一つとなっている。日本では、パニック障害は、かつては「心臓神経症」や「不安神経症」として取りあつかわれていたが、1980年に病名が『パニック障害』に統一された。パニック障害は実は、アメリカでは100人に3人の割合で発症しており、日本でもほぼ同率の患者さんがいると考えられている。今後、パニック障害に対する認識と理解が深まってくれば、患者数はさらに多くなると考えられる。
パニック障害は治療を受けないで放っておくと慢性化する場合があるが、早めに治療を行えば治療可能な疾患である。ところが治療を受けずに、何とかやり過ごしている方がお知り合いの中にもいらっしゃるのではなかろうか。
症状の特徴は、
1.パニック発作:急性発作性の不安発作。激しい動悸、息苦しさ、胸苦しさ、めまい、吐き気を伴う強い不安発作に襲われる。そのため気が狂ってしまう、死んでしまうのではないかとさえ感じる。一回の発作は通常数分から数十分であり長くとも30分以内でおさまる事がほとんどである。
パニック発作の基準
以下の内4項目以上、が突然発現し、10分以内に頂点に達する。
1)動悸
2)発汗
3)身震い
4)息苦しさ
5)窒息感
6)胸痛、胸部不快感
7)嘔気、腹部不快感
8)めまい、気が遠くなる感じ
9)現実感消失、離人症状(自分から離れている)
10)気が狂う恐怖または自制心を失う恐怖
11)死ぬ事への恐怖
12)異常感覚(感覚麻痺、うずき感)
13)冷感または熱感
2.予期不安:発作の再発を恐れる二次的、持続的な不安症状。
3.広場恐怖:発作の起きそうな場所を避ける。発作が起こった時、誰も助けてくれない、逃げられない、恥をかく、このような状況を回避する。結果として、一人で外出すること、乗り物に乗ること、店や人混みに入ること、列に並ぶ、高速道路、劇場、美容院が困難となり、外出もままならなくなる。
4.心気症状:体の些細な変化に対して敏感になる。心疾患にかかっているのではないかと繰り返し検査を受けたりする。
5.うつ病:二次的な抑うつ症状。パニック障害の患者の50%はうつ病を経験する。単純にうつ病と間違えられるケースもある。
このように、重要な点はパニック障害はパニック発作だけではなく、「発作が起きたらどうしよう、発作が起きないように外出を止めよう」と回避的になり、社会生活が脅かされてしまう点にある。発作自体より広場恐怖や予期不安により苦しめられている患者さんも少なくない。
治療は比較的確立している。認知行動療法、支持的精神療法に加えて抗うつ薬・SSRI・抗不安薬・βブロッカーの服用が有効と考えられている。
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